一般小児科について
当院では、発疹・発熱・鼻水・咳・嘔吐・下痢・やけど・ケガなどの急性症状のほか、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患、便秘症、夜尿症などの慢性疾患、また耳・鼻・皮膚に関する症状など、お子さまのさまざまな体調不良や疾患を幅広く診察しています。
必要に応じて、より詳しい検査や入院が可能な高度医療機関、または眼科・耳鼻咽喉科・外科などの専門医へのご紹介も行っております。
当院では、お子さま一人ひとりに寄り添い、ご家族とのコミュニケーションを大切にしています。
病状や治療方針については、わかりやすく丁寧な説明を心がけ、安心して受診していただける診療を目指しています。
地域に根ざした「かかりつけ医」として、病気の治療だけでなく、日々の健康管理や子育て全般のサポートにも力を入れています。
予防接種、子育てのお悩み、お子さまの発達や成長に関するご相談など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
当院の感染対策について
1. 一般診察と予防接種・健診の入口を分けています
当院では入口を2か所に分け、一般診察と予防接種・健診でご来院されるお子さまが同じ待合室にならないよう導線を分離しています。
待合室もそれぞれ完全に分かれています。
2. スタッフの健康管理の徹底
スタッフ全員が日々の体調管理に努めております。
また、手洗いや手指のアルコール消毒を徹底し、常にマスクを着用して診療にあたっています。
3. 発熱患者さんの問診の徹底
発熱のある患者さまには、事前の問診を徹底しております。
お手数をおかけしますが、円滑な診療のためご協力をお願いいたします。
4. 待合室を個室化しました
発熱のある患者さまは個室にご案内いたします。
また、月齢の低いお子さまについても、できる限り個別にお待ちいただけるよう配慮しております。
特別待合室も活用し、安心してお過ごしいただける環境を整えています。
5. 院内の待ち人数を制限しています
院内の混雑を防ぐため、診療は時間予約制としています。
混雑時には、お車でお待ちいただく場合もございます。
スムーズなご案内のため、予約時間に合わせてご来院くださいますようお願いいたします。
6. こまめな消毒・換気の実施
- 院内全体の定期的な換気を行っています。
- 発熱患者さまが使用された場所は、椅子の拭き取り消毒や空間消毒を実施しています。
- 午前・午後の診療終了後には、接触部位の重点的な消毒を行っています。
7. 院内のおもちゃについて
キッズルームや診察室内のおもちゃは、診療後および適宜消毒を行っております。お子さまが安心して過ごせる環境づくりに努めています。
8. 空間的分離の徹底
新型コロナウイルスや水痘など、感染力の強い感染症が疑われる患者さまにつきましては、空気隔離を実施しております。
当院で行える検査
院内血液検査
少量の血液を採取し、感染の有無や体の状態を確認します。
お子さまの負担をできるだけ軽減するため、少ない採血量で検査が可能な最新機器を導入しています。
アレルギー検査をはじめとした院外血液検査
血液検査により、卵・牛乳・小麦などの食物アレルゲンのほか、花粉、動物の毛、ハウスダストなどによるアレルギーの有無を評価します。
また、ホルモン、肝機能、腎機能などの一般的な採血検査も実施可能です。
結果が出るまでにはおおむね1週間程度かかります。
尿検査
尿パックを貼る、またはトイレで採取していただいた尿を用いて検査を行います。
尿中のたんぱく質、血液、白血球の有無などを確認します。
検査時間はおおよそ10分程度ですが、乳幼児のお子さまの場合は採尿までに少しお時間をいただくことがあります。
各種迅速検査
当院では以下の迅速検査を行っています。
- 溶連菌
- アデノウイルス
- RSウイルス
- ヒトメタニューモウイルス
- インフルエンザ
- マイコプラズマ
- 新型コロナウイルス抗原検査
これらの検査は短時間で結果がわかりますが、お子さまにとっては一瞬でも負担となる場合があります。
そのため、病歴・周囲の感染状況・診察所見などから必要と判断した場合に実施いたします。
持参していただく物
必ず持参いただきたい物
- 健康保険証
必要に応じて持参いただきたい物
- 各種医療証
- お薬手帳
- 紹介状
専門外来も行っております
当院では、一般診察のほかにも、子育てをサポートするさまざまな専門外来を行っております。
お子さまとの毎日が、より楽しく、安心できる時間となるように——当院のスタッフがしっかりとサポートいたします。
代表的な症状・疾患
発熱(繰り返す発熱)
「発熱」とは、体温が37.5℃以上の場合を指します。
乳幼児の体温は、外気温や衣服の厚さ、布団のかけすぎなどの影響を受けやすいため、体が熱いと感じたときは、いったん薄着にさせてから、時間をおいて何度か測り直すと、より正確な体温を確認できます。
発熱があった時の受診の目安は?
お子さまに熱が出ると、心配になったり、受診のタイミングに迷ったりする方も多いと思います。
そのような場合は、次の受診の目安を参考にしてください。
- 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
- けいれんや呼吸困難を起こしている
- おしっこの回数や量が減っている
- 食欲がない、元気がない、夜の寝つきが悪いといった症状が続いている
お子さまの様子を一番よくわかっているのはご家族です。
ご家族から見て「なんとなくいつもと違う」「様子がおかしい」と感じる場合も、大切なサインですので、受診をおすすめします。
生後3か月以上のお子さまで発熱があっても、次のいずれかに当てはまる場合は、しばらく様子を見ても問題ありません。
- 機嫌がよく、食欲もあり、十分に水分がとれている
- 排尿の回数や量に異常がない
- 元気に遊び、周囲に興味を示している
ただし、お子さまの病気の程度を正確に判断するのは難しい場合も少なくありません。
ご心配なときは、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
熱が上がったり下がったりするのはなぜでしょうか?
通常、体温は朝方に低く、夕方にかけて上昇し、1日の中でおよそ1℃ほどの幅で変動します。これは、体内で分泌されるステロイドホルモンが朝に多く分泌され、夜にかけて減少するためだと考えられています。
また、授乳や食事、運動、入浴なども体温の上昇を引き起こす要因となります。
正常な体温は人によって異なるため、数日間、1日に数回体温を測定し、お子さまの平常時の体温の範囲を把握しておくとよいでしょう。
子どもの繰り返す発熱
免疫機能は成長とともに発達していくものであり、特に乳幼児期は免疫機能がまだ未熟なため、大人よりも発熱する機会が多くなります。
保育園や幼稚園に入園したばかりの時期は、さまざまなウイルスにさらされる機会が増えるため、繰り返し発熱するお子さまも少なくありません。
免疫機能が弱いのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、これは子どもが免疫を獲得している過程であり、ほとんどの場合は心配のいらない自然な反応です。
咳(長引く咳)
咳とは
咳は、気道(空気の通り道)に入った異物や分泌物を外に排出しようとする体の防御反応のひとつです。
子どもの気道は大人に比べて未発達で細いため、わずかな刺激や炎症でも咳が出やすくなります。
風邪のあとに咳が長引くのは、治りかけの段階で分泌される痰を体が排出しようとするため、また気道の炎症により刺激に敏感になっているためと考えられます。
咳はよくみられる症状ですが、夜眠れない・咳き込んで吐いてしまう・食欲が落ちるなど、お子さまもご家族もつらい思いをすることがあります。
咳が長く続く場合は、一度ご相談ください。
長引く咳の原因と主な疾患
咳が長引く原因としては、次のようなものが考えられます。
- 風邪の治りかけ
- 気管支炎
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
また、百日咳やマイコプラズマ肺炎など、早期の診断と治療が必要な感染症が原因の場合もあります。
まれに、先天性の異常、胃食道逆流、心因性咳嗽などが関係しているケースもあります。
一般的な風邪だと思っていても、2週間以上咳が続く場合は、他の症状がなくても受診をおすすめします。
咳の種類
咳にはさまざまな種類があり、音の特徴や出方が診断の手がかりになります。
受診時には、咳の音・頻度・出る時間帯などをできるだけ具体的に伝えましょう。
可能であれば、咳の様子を動画で記録してお持ちいただくと、より正確な診断につながります。
代表的な咳の例:
- コンコン:痰の絡まない乾いた咳
- ゲホゲホ:痰が絡んだ湿った咳
- ゼーゼー/ヒューヒュー:喘鳴(呼吸時に笛のような音)
- ケンケン:オットセイの鳴き声のような咳(クループ症候群など)
早めの受診が必要な咳のサイン
次のような症状が見られる場合は、できるだけ早めに受診してください。
- 呼吸の回数が多く、荒い呼吸をしている
- ヒューヒュー・ゼーゼーといった喘鳴が続く
- 近くで呼吸音がはっきりと聞こえる
- 異物を飲み込んでしまった可能性がある
- 咳がひどく眠れない
- 顔色が悪い
- 肩が上下するような呼吸(肩呼吸)
- 鎖骨の上や肋骨の下がへこむように動く(陥没呼吸)
- 鼻の穴が呼吸に合わせて動く(鼻翼呼吸)
また、これらの症状がなくても、咳が2週間以上続く場合は一度医師にご相談ください。
すでに喘息と診断されている場合は、かかりつけ医の指示に従い、吸入治療などを行いましょう。
頭痛
子どもでも頭痛を訴えることは珍しくありません。中には、就学前から頭痛を訴えるお子さんもいます。頭痛の頻度が月に1回程度で、日常生活に支障がない場合は、まずは自宅で様子をみても構いません。しかし、頭痛が頻繁に起こる・学校を休む・寝込んでしまうなど、日常生活に影響が出てきた場合は、一度受診をおすすめします。
主な頭痛の原因
1. 片頭痛
2〜72時間ほど続く発作的な頭痛で、始まりと終わりが比較的はっきりしています。
子どもの場合は前頭部〜こめかみの両側が痛むことが多く、「ズキンズキン」と脈打つような痛みを訴えます。
吐き気や嘔吐、光や音への敏感さを伴うことがあり、動くと痛みが強まります。
「視界がチカチカする(閃輝暗点)」などの前兆がみられることもあります。
2. 緊張型頭痛
締めつけられるような鈍い痛みが続くタイプで、片頭痛よりも軽いことが多いです。
頭の重さや圧迫感を訴えますが、吐き気や嘔吐はほとんどありません。
思春期に多く見られますが、年少児でもストレス・疲れ・姿勢の悪さなどが原因となることがあります。肩こりや眼精疲労が関係している場合もあります。
3. 二次性頭痛(他の病気が原因の頭痛)
風邪やインフルエンザ、溶連菌感染症、副鼻腔炎(蓄膿症)、虫歯などでも頭痛が起こることがあります。また、まれではありますが、脳腫瘍・脳出血・水頭症・髄膜炎などの重大な病気が原因のこともあります。
次のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
- 毎日のように頭痛と嘔吐がある
- ふらつきや手足の動かしにくさがある
- 物が二重に見える
- 頭痛の頻度や強さが増している
- 後頭部の痛みが強い
- 鎮痛薬を使っても改善しない
一時的なものと思っていても、繰り返す頭痛は原因を調べることで早めに対処できる場合があります。気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。
鼻水
鼻水は、ウイルスや細菌、アレルギー物質などが鼻に入ったときに体を守るために出る防御反応です。鼻の中をきれいに保ち、細菌やウイルス、花粉・ほこりなどを外に排出する大切な働きがあります。
鼻水の性状と考えられる原因
- 透明でサラサラ:風邪のひき始め・アレルギー性鼻炎
- 白っぽい:風邪のピーク時期
- 黄色・緑色で粘り気がある:細菌感染・副鼻腔炎(蓄膿症)
ただし、鼻水の色や粘り気だけでは原因を正確に判断することは難しいため、長引く場合は受診をおすすめします。
ご家庭でのケア
乳児は自分で鼻をかめないため、こまめに鼻吸引をしてあげましょう。
3〜4歳頃からは少しずつ自分で鼻をかむ練習を始めていくと良いです。
喉の痛み
喉の痛みは、お子さまによく見られる症状のひとつで、ウイルスや細菌の感染によって起こります。アデノウイルスや溶連菌などの微生物が喉の粘膜に感染し、炎症を起こすことで痛みや不快感が生じます。
原因を特定するために、医療機関ではアデノウイルスや溶連菌の迅速検査を行うことがあります。喉の痛みが強い場合や発熱を伴う場合は、無理をせず早めに受診しましょう。
ご家庭でのケア
- 水分をしっかりとる
こまめに水分補給をしましょう。麦茶や白湯など、刺激の少ない飲み物がおすすめです。 - 喉を乾燥させない
室内が乾燥しないように、加湿器や濡れタオルで湿度を保ちましょう。 - 刺激の少ない食事を
熱い・辛い・酸っぱいものは避け、のどごしの良いおかゆやスープ、ゼリーなどを選びましょう。
湿疹
湿疹(皮膚炎)とは、皮膚の表面に炎症が起こる状態を言います。皮膚が赤くなったり、ブツブツや水ぶくれができたりすることがあり、強いかゆみを伴うのが特徴です。
原因は、皮脂の分泌過多、乾燥肌、アレルギー、刺激物への反応などさまざまです。特に赤ちゃんの皮膚は大人の約半分の厚さしかなく、バリア機能が未発達なため、湿疹ができやすい傾向があります。
かゆみが強い場合、皮膚を傷つけて細菌感染を起こし、湿疹が悪化することもあるため注意が必要です。湿疹の再発を予防するには、毎日のスキンケアが大切です。
お子さまの湿疹がなかなか改善しない場合は、お気軽に当院へご相談ください。
詳しくは、こどもの肌のページを御覧ください
嘔吐
嘔吐は、胃や腸の中にある異物や有害物質を体の外に排出しようとする防御反応のひとつです。お子さまにみられる嘔吐の最も一般的な原因はウイルス性胃腸炎で、胃や腸にウイルスが感染して炎症を起こし、嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。
しかし、嘔吐は必ずしも胃腸のトラブルが原因というわけではありません。
風邪や中耳炎、肺炎などの感染症、食べ過ぎや咳のしすぎによるもの、強い泣きや不安・ストレスによる一時的な嘔吐など、さまざまな要因が考えられます。
また、頭を強く打った後や腸重積・虫垂炎などの原因で起こることもあり、早急な対応が必要な場合もあります。
嘔吐が続く場合や、ぐったりしている・水分が取れない・血が混じるなどの症状がある場合は、早めに受診しましょう。
腹痛
お子さまが「おなかが痛い」と訴えるとき、その原因はさまざまです。
多くの場合は便秘や下痢など排便の変化によって腸の動きが一時的に乱れ、痛みが起こっていることがほとんどです。
ただし、腹痛がなかなか治まらない場合や、発熱・嘔吐・下痢などの症状を伴うときは、早めに医師の診察を受けましょう。腹痛の続く時間や痛みの場所、全身の様子を観察しておくと診断の助けになります。
一方で、下痢や便秘などの明らかな症状がなくても、ぐったりして元気がないなど普段と違う様子が見られるときは、別の病気が隠れている可能性もあります。
心配なときは、迷わず当院へご相談ください。
下痢
下痢とは、便が通常より柔らかく(水様便・軟便)なり、排便の回数や量が増える状態をいいます。お子さまの場合、頻繁な下痢が続くと体内の水分が失われ、脱水症状を起こすおそれがあるため注意が必要です。
お子さまの下痢の多くは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどによるウイルス性胃腸炎が原因です。
また、冷たいものや消化しにくい食べ物の摂取、食物アレルギー、ストレス、疲労、冷えなどが原因となることもあります。
下痢が長引く、嘔吐や発熱を伴う、ぐったりしているなどの様子が見られる場合は、早めの受診をおすすめします。
血便
お子さまの便に血が混じっているのを見て、不安に感じる保護者の方は少なくありません。しかし、血便にはさまざまな原因があり、必ずしも重い病気とは限りません。
下痢に少量の血が混じる場合は、ウイルス性腸炎によることが多いです。一方で、発熱や強い腹痛、ぐったりしている様子を伴う場合には、細菌性腸炎の可能性があります。
また、母乳をよく飲み元気な赤ちゃんでも、腸のリンパ組織が一時的に活発になる「リンパ濾胞増殖症」により、血の混じった便が見られることがあります。さらに、排便時のいきみで肛門が切れてしまう「肛門裂傷(切れ痔)」も、小さなお子さまに多い原因です。
なお、すべての血便が病気によるものとは限りません。トマトやビーツなど赤い食べ物の影響や、見間違いの場合もあります。判断が難しいときは、便を持参して頂くか、写真を撮って受診時にお見せください、より正確な診断につながります。
お子様の元気がない時は?
受診目安
小さなお子さまは、自分の症状をうまく伝えられないことがあります。
「いつもより元気がない」「遊ばない」「泣き続けている」など、普段と違う様子が見られる場合は、迷わず当院へご相談ください。
早急に受診が必要な場合
以下のような症状が見られるときは、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 生後3か月未満の発熱・元気がない・母乳やミルクの飲みが悪い
- 泣いたり泣き止んだりを繰り返す、泣き声が弱い
- ぐったりして起き上がれない
- 呼びかけても反応が乏しく、目を合わせない
- 顔色や肌の色が悪い
- 呼吸が苦しそう
- 嘔吐を繰り返す
- 強い頭痛や腹痛などの症状がある
