- 手足口病とは?主な症状
- ヘルパンギーナとは?主な症状
- 流行時期と感染経路
- 潜伏期間とうつる期間
- 手足口病とヘルパンギーナの違い
- 診断・治療方法・ホームケア
- 病院の受診が必要なタイミング
- 予防方法
- 登園・登校の目安
- よくある質問(Q&A)
手足口病とは?
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどが原因で起こるウイルス感染症です。毎年夏に流行しやすく、特に乳幼児を中心に感染が広がりやすいのが特徴です。
手足口病の症状
- 発疹:名前の通り手・足・口を中心に出る小さな発疹や水疱
- 発熱:発熱が1〜3日続くことが多いですが、発熱がないこともあります
- 口の中の痛み:口内炎のような症状で、飲食を嫌がります
- よだれの増加:特に乳児で多いです
- 食欲不振や全身のだるさ
多くの場合、症状は3〜7日程度で自然に回復します。
注意が必要なこと
- 口の中の痛みで水分がとれないと、脱水症状につながる恐れがあります。
- 回復後、1か月前後で手足の皮がむけたり、爪がはがれることがあります。
- まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症を起こすことがあります。
ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどが原因で起こるウイルス性の咽頭炎(のどの風邪)です。主に子どもを中心に夏場に流行する「三大夏風邪」 のひとつで、他には手足口病とプール熱があります。
ヘルパンギーナの主な症状
- 突然の高熱:38〜40℃、1〜3日続くことがあります
- のどの奥に水ぶくれ:小さな赤い発疹ができ痛みが強く、飲食を嫌がります
- 全身のだるさ・食欲不振
注意が必要なこと
- 口の中の痛みで水分がとれないと、脱水症状につながる恐れがあります。
- まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症を起こすことがあります。
手足口病・ヘルパンギーナ
の流行時期と感染経路
流行時期
毎年6月から8月にかけて流行しやすい感染症です。どちらも感染力が強く、集団生活をしている保育園や幼稚園などで広がりやすいです。
感染経路
- 飛沫感染:せきやくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。
- 接触感染:ウイルスが付着した手やおもちゃなどを介して口や目に触れることで感染します。
- 糞口感染:便に排泄されたウイルスが、オムツ交換やトイレの後に手を介して口に入ることで感染します。
手足口病・ヘルパンギーナ
の潜伏期間とうつる期間
潜伏期間
どちらも感染してから2〜4日程度で症状があらわれます。
うつる期間
- 発症の2日前から、発疹が治まるまで(約1週間程度)は、周囲にうつす可能性があります。
- ウイルスは便の中に2〜4週間ほど残るため、症状が治まった後もしばらく注意が必要です。
感染を防ぐために
- こまめな手洗い・うがい
- タオルや食器(お箸、スプーン、お皿)の共用を避ける
- オムツ交換の後は、しっかりと手洗いをする
こうした基本的な対策が家庭や園での感染拡大を防ぐために大切です。
手足口病とヘルパンギーナ
の違い
手足口病とヘルパンギーナは、どちらも夏に流行するウイルス感染症で、症状もよく似ています。次のような違いがあります。
- 発熱の違い
ヘルパンギーナ:39〜40℃近い高熱が出ます。
手足口病:熱が出ないか、出ても38℃前後までの比較的軽い発熱です。 - 発疹の出る場所の違い
ヘルパンギーナ:口の中(のどの奥)に水ぶくれができます。
手足口病:口の中に加えて、手のひら・足の裏にも発疹が出ます。
手足口病・ヘルパンギーナの
診断・治療方法・ホームケア
診断は、のどの状態や発疹の場所などから判断し診断します。特別な検査は必要ありません。
どちらの病気も特効薬やワクチンはなく、症状を和らげながら自然に回復するのを待つ「対症療法」が中心となります。
ご家庭では、次のようなホームケアを心がけてください。
- 水分補給をしっかり行い、のどにしみにくい飲み物(麦茶・スープ・OS1など)を飲みましょう。冷たい物(アイスなど)も痛みを和らげるのでおすすめです。
- 食事はゼリー・プリン・おかゆなど、飲み込みやすいものが良いです。
- 発疹がかゆいときは、冷やしてあげるとかゆみが和らぎます。
- 発熱がある場合は解熱剤(アセトアミノフェン)が使用可能です。(医師の指示に従ってください)
病院の受診が必要なタイミング
次のような症状があるときは、早めに病院を受診してください。
- 高熱が 3日以上続く
- 水分がとれない、尿が少ない、ぐったりしている(脱水症状のサイン)
- 嘔吐や頭痛がある
- 呼吸が苦しそう、意識がぼんやりしている
手足口病・ヘルパンギーナ
の予防方法
ワクチンや特効薬はないため、日常生活での予防がとても大切です。
- 手洗い・うがい:帰宅時、食事の前後、オムツ交換後などにしっかりと石けんで手を洗いましょう。
- おもちゃや手の触れる物の消毒:ウイルスは物の表面でもしばらく生き残るため、おもちゃやドアノブなどは定期的に消毒しましょう。
- タオルの共用を避ける:家族でもタオルや食器の共有は控えましょう。
- マスク・咳エチケット:マスクを着用し周囲にウイルスを広げないようにします。
手足口病・ヘルパンギーナ
の登園・登校の目安

登園・登校の目安は、
- 熱が下がり、全身の状態が良い(普段の元気が戻っている)
- 水分や食事がとれている
発疹が残っていても、元気で食欲があれば登園・登校は可能です。保育園によって、ルールが異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
よくある質問(Q&A)
手足口病について
保護者や大人にも感染することがありますか?
はい。子どもに多い病気ですが、大人も感染することがあります。大人がかかると、症状が強く出る場合もあります。
発疹はどんなぶつぶつですか?
手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれのような発疹が出ます。かゆみや痛みを伴うこともあります。
何歳くらいに多いですか?
主に5歳以下の乳幼児に多く見られますが、年長児や大人もかかることがあります。
熱が出ていなくても受診した方がよいですか?
発疹が広がっている、口の中が痛くて食事・水分がとれない、ぐったりしている場合は早めに受診してください。
かかるとどのような経過をたどりますか?
発熱や発疹が数日続きますが、多くは1週間ほどで自然に回復します。
感染拡大を防ぐにはどんな対策が必要ですか?
手洗いの徹底、タオルや食器の共用を避ける、触るものを消毒することが大切です。
皮膚科と小児科のどちらを受診すればよいですか?
お子さまは小児科を、大人の場合は皮膚科または内科の受診をおすすめします。
ヘルパンギーナについて
保護者や大人にも感染することがありますか?
はい。子どもが多い病気ですが、大人にもうつることがあります。
いつ頃に流行する病気ですか?
毎年6~8月を中心に夏に流行します。
熱が出ていなくても受診した方がよいですか?
高熱がなくても、のどの痛みが強く食事・水分がとれない場合や元気がないときは受診しましょう。
かかるとどのような経過をたどりますか?
突然の発熱とのどの奥に水ぶくれが出現し、数日で解熱します。1週間ほどで自然に回復するのが一般的な経過です。
空気感染しますか?
主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、空気感染を起こすことはありません。
お風呂で感染することはありますか?
お風呂の水を介して感染することはありませんが、タオルの共用は避けましょう。
感染拡大を防ぐにはどんな対策が必要ですか?
手洗い・うがいの徹底、咳エチケット、触るものを消毒、タオルの共用を避けることが有効です。
