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小児耳鼻咽喉科
(中耳炎、花粉症、アレルギー性鼻炎など)

小児耳鼻科について

小児耳鼻科について小さなお子さまは、大人に比べて耳・鼻・喉のトラブルが起こりやすい傾向があります。
これは、お子さまの体がまだ発達の途中にあり、鼻の穴が狭かったり、耳の管(耳管)が短く水平に近いという特徴があるためです。
そのため、中耳炎・鼻づまり・喉の痛みや声枯れなどの症状が出やすく、繰り返しやすいのも特徴です。
また、小さなお子さまは症状をうまく言葉で伝えられないことも多いため、「耳をよく触る」「鼻づまりが続く」「声がかれている」「いびきをかく」など、普段の様子に少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
お子さま一人ひとりの成長や発達の段階に合わせて、丁寧に診察・治療を行ってまいります。
また当院では、耳垢除去(お耳掃除)のみの処置は外来では実施しておりません。
こちらについては耳鼻科にご相談をお願いいたします。

小児でよくみられる耳・鼻・喉の疾患

耳の病気

  • 急性中耳炎・滲出性中耳炎
  • 外耳炎(耳のかゆみ・痛み)
  • 聴こえの異常(聞こえにくい、反応が鈍い)

鼻の病気

  • アレルギー性鼻炎(ダニ・花粉など)
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 鼻出血

喉の病気

  • 扁桃炎、咽頭炎(のどの痛み・発熱)
  • アデノイド肥大(口呼吸・いびき)

急性中耳炎

急性中耳炎は、鼓膜の奥にある中耳(ちゅうじ)に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。3歳未満のお子さまに多くみられ、風邪をひいたあとに発症することがよくあります。お子さまの耳はまだ発達途中で、耳と鼻をつなぐ「耳管(じかん)」が短く、太く、傾きがゆるいため、鼻や喉で増えた病原菌が中耳に届きやすい構造になっています。「耳を痛がる」「熱が出る」「機嫌が悪い」「耳だれが出る」といった症状がみられた場合は、急性中耳炎の可能性があります。きちんと治療を行わないと、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)に進行して、聞こえにくさが残ることもあります。
繰り返さないためにも、症状が出たら早めの受診をおすすめします。

アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜がアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に反応して炎症を起こす病気です。
アレルゲンには、季節によって飛ぶスギやヒノキなどの花粉のほか、一年を通して存在するダニ・ハウスダスト・ペットの毛などの室内アレルゲンがあります。
主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった鼻の症状ですが、目のかゆみや涙目など、目の症状を伴うこともあります。
以前は小さなお子さまにはあまりみられませんでしたが、近年はアレルギー性鼻炎の低年齢化が進み、幼児でも発症するケースが増えています。
「鼻づまりが長引く」「口で息をしている」「いびきをかく」などの様子がある場合は、早めにご相談ください。症状を和らげ、快適に過ごせるようサポートいたします。

副鼻腔炎

副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の奥にある空洞「副鼻腔」に炎症が起きている状態を指します。多くの場合、風邪などによる細菌やウイルスの感染が原因です。風邪をひくと鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の通り道がふさがることがあります。その結果、副鼻腔の中に粘液や膿(うみ)がたまることがあり、これが副鼻腔炎の主な原因となります。
症状が比較的短期間でおさまるものを急性副鼻腔炎、3か月以上続くものを慢性副鼻腔炎(蓄膿症)といいます。
お子さまは鼻の構造がまだ発達途中のため、急性副鼻腔炎を起こしやすい傾向があります。「鼻づまりが長く続く」「黄色や緑の鼻水が出る」「咳がなかなか治らない」などの症状が見られる場合は、ご相談ください

扁桃肥大・アデノイド肥大

扁桃肥大とは、喉の奥にある口蓋扁桃が大きくなる状態を指します。肥大が強いと、いびきや睡眠中の無呼吸がみられることがあり、睡眠の質に影響を与えることがあります。また、食事に時間がかかる・飲み込みにくいなどの症状が出る場合もあります。
一方、アデノイド肥大とは、鼻の奥(上咽頭)にある咽頭扁桃(アデノイド)が大きくなる状態をいいます。アデノイドが肥大すると、鼻づまり・口呼吸・いびきなどの症状を起こし、場合によっては睡眠中の無呼吸中耳炎を繰り返す原因となることもあります。
どちらの肥大も、症状が軽い場合は経過観察で問題ありませんが、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合には、手術による切除を検討することがあります。当院で手術は行っておりませんが、必要な場合には連携している医療機関をご紹介いたします。

クループ症候群

クループ症候群は、ライノウイルスやパラインフルエンザウイルスなどのウイルスが喉や鼻に感染し、喉に強い炎症を起こす病気です。主に1~5歳前後の小さなお子さまに多くみられます。特徴的な症状は、夜間に突然出る犬の鳴き声のような咳(ケンケン咳)や、息を吸ったときにヒューヒューと笛のような音(吸気性喘鳴)が聞こえることです。強い炎症のために喉が狭くなり、呼吸が苦しくなる(呼吸困難)こともあります。
治療には、炎症を抑える吸入や内服薬を用います。「夜中に咳が激しい」「呼吸が苦しそう」「声がかすれて泣きにくい」といった様子が見られた場合は、早めに医療機関へご相談ください。

流行性耳下腺炎

流行性耳下腺炎は、一般的に「おたふくかぜ」と呼ばれる感染症で、ムンプスウイルスが原因となります。感染すると、耳の下にある唾液腺(耳下腺)が炎症を起こし、片側または両側のほほが腫れて痛みを伴うのが特徴です。流行性耳下腺炎は学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、腫れが出てから少なくとも5日が経過し、全身の状態が良くなるまでは登園・登校できません。
おたふくかぜは自然に治ることが多い病気ですが、まれに髄膜炎や難聴、精巣炎などの合併症を起こすことがあります。予防のためには、ムンプスワクチン(おたふくかぜワクチン)の接種が有効です。